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顔面神経麻痺(ベル麻痺)

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顔の麻痺は、脳出血、中耳炎、聴神経腫瘍など・・・様々な原因で起こります。顔面神経麻痺は、早く治療を開始する事が大切な病気です。まずは、専門医にご相談下さい。

病院の検査により「原因不明(ベル麻痺)」と医師に診断された場合は、病院の治療と並行して鍼灸治療をお薦め致します。「ベル麻痺」は鍼灸による治療効果の高い病気である一方で、顔面神経麻痺に対する特効薬はなく「投薬で暫く様子をみる」のが基本的治療になるからです。自然に治ることも多くありますが、「回復に時間がかかる(軽い場合は1〜2か月で治ります。重い症状の場合は6か月以上かかる場合もあります。)」「後遺症がでてしまう」方もおります。「神経機能の回復を早める」「顔面神経麻痺の後遺症を避ける」事を期待して、鍼灸治療をお試し下さい。

顔面神経麻痺とは?

顔面神経とは「顔の筋肉を動かす」「味覚」「唾液や涙の分泌」に関係する神経です。何らか原因により顔面神経の伝達にトラブルが発生すると、顔面神経麻痺が生じます。「顔が歪む」「眼を閉じる事ができない」「口を閉じれない」などの外見に現れる症状が多く発生する為、精神的ダメージも大きい病気です。顔面神経麻痺は、中枢性と末梢性に大きく分ける事ができます。

顔面神経とは?

顔面神経は「脳から耳を経由して顔面に広がる」神経です。「顔の筋肉を動かす」「味覚」「唾液や涙の分泌」などに関係します。顔面神経の障害された位置によって、症状に違いが出てきます。(脳に近いほど症状が重くなります)

中枢性顔面神経麻痺について

脳幹(脳の一部)より上の部分の原因により、顔面神経の伝達に障害が起きた場合を「中枢性顔面神経麻痺」と言います。脳梗塞や脳出血といった脳血管障害によって起こるので、「顔の麻痺」以外に「激しい頭痛」「手足の麻痺」「呂律が回らない」などの症状も発生します。速やかに専門医(脳神経外科)にご相談下さい。

末梢性顔面神経麻痺について

◆ベル麻痺◆
顔面神経麻痺の中で、最も多くみられるのがベル麻痺です。ハッキリとした原因がは判っておりませんが、「血液の循環が悪い為に顔面神経の通り道に浮腫ができてしまい、その浮腫が顔面神経を圧迫して起こる」と考えられています。また、「顔に冷たい風に当たった」「精神的ストレス」「肉体的疲労」が原因とも言われています。

◆ラムゼイ・ハント症候群◆
ラムゼイ・ハント症候群とは、帯状疱疹(水痘)ウィルスに感染して起こる病気です。「顔の麻痺」以外に「耳の痛み」「耳周辺に水疱ができる」のが特徴です。聴神経が侵されると難聴になることもあります。
※抗ウィルス剤の処方が必要です。医師にご相談下さい。

顔面神経麻痺の原因

顔面神経麻痺は、中枢性と末梢性に大きく分ける事ができます。

◆中枢性麻痺◆
・脳出血
・脳腫瘍

◆末梢性麻痺◆
・交通事故による外傷後(頭や顔の骨折など)に発生した顔面麻痺
・手術による顔面神経損傷による発症
・中耳炎による顔面麻痺
・聴神経腫瘍による顔面麻痺
・ベル麻痺(原因不明)
・帯状疱疹(水痘)ウィルスの感染

顔面神麻痺経の症状

◆末梢性顔面神経麻痺の症状 ◆
・額のシワ寄せができない
・眼をシッカリ閉じる事ができない
・眼を閉じる時に眼球が上の方に回転する(ベル現象)
・唇をシッカリ閉じる事ができない
・口角が下がる
・唇を尖らせる事ができない(口笛が吹けない)
・聴覚の異常(過敏、耳が痛い、難聴など)
・味覚の低下
・唾液や涙の分泌が低下

※涙の分泌が少なく、瞼を閉じる事もできない為に、乾燥で眼が赤くなり痛みます。兎の眼が赤い事から、これを「兎眼(とがん)」と言います。

◆中枢性顔面神経麻痺の症状◆
上記の末梢性麻痺に比べて「顔を動かす筋肉に関わる症状が軽い」のが特徴です。
脳梗塞、脳出血の疑いがあります。速やかに専門医にご相談下さい。

・額のシワ寄せができる
・眼をシッカリ閉じる事ができる (症状があっても軽い)
・顔面麻痺以外の症状がある(激しい頭痛、手足の麻痺、呂律が回らない)

顔面神経麻痺による後遺症

一部の方には、次のような後遺症が起こります。

◆病的共同運動◆
1日に1〜2mmのペースで神経は再生されると言われていますが、神経が本来のルートをそれて再生されてしまう場合があります。その場合、「口を動かすと、まぶたも一緒に動いてしまう」などの動きが出てしまいます。これを病的共同運動を言います。病的共同運動は、顔面神経麻痺が発症してから数カ月経った頃に出現します。

◆食事をすると涙が流れる◆
「唾液の分泌」と「涙の分泌」に関わる神経が、混線して再生されてしまったケースです。

◆顔の筋肉を動かすと耳鳴りがする◆
「顔の筋肉を動かす神経」と「耳の機能に関係する神経」が混線して再生されてしまったケースです。

◆顔の強張り◆
片側の顔の筋肉が持続的に収縮した為に、安静時の顔の表情が非対称に見えます。顔面神経の再生される本数が少ない事が原因と言われています。

◆顔のけいれん◆
眼の周り、口の周りなどが、突然自分の意志とは関係なくピクピク動きます。

顔面神経麻痺に対する西洋医学的治療法

病院では、検査を受けた後に次のような治療が行われているようです。特効薬はなく、「投薬で暫く様子をみる」のが基本的治療になります。

◆約2週間の点滴◆
「副腎皮質ステロイド、抗ウイルス剤」の点滴を2週間連続で行います。

◆処方薬の服用◆
「血流改善剤、ビタミン剤、神経賦活剤」などが処方されます。

◆星状神経節ブロック◆
星状神経節(自律神経の神経節)に局所麻酔剤を注入します。

◆手術◆
改善がみられない場合は手術を行う場合があります。

 

顔面神経麻痺に対する鍼灸治療

顔面神経麻痺は「顔を洗う時に石鹸が目に入ってしまう」「口がゆすげない」「食べ物が口からこぼれてしまう」など日常生活の質が大きく低下します。また「顔が歪む」などの外見に現れる症状が多く発生する為、精神的ダメージも大きい病気です。鍼灸治療には、「神経機能の回復を促進する」効果があります。病院での治療で効果が得られていない場合は、鍼灸治療をお試しください。

鍼灸治療の流れ

@問診
・顔面神経麻痺の程度をチェックします。
・今までの治療内容などをお伺い致します。

A鍼灸治療
「血液循環を良くする」「神経機能の回復を促進する」「顔の筋肉の強張りを防ぐ」目的で鍼灸治療を行います。「神経の走行」や「麻痺している筋肉」を意識しながら、症状に合わせて治療効果の高いツボを利用します。頚や肩の凝りを改善する事も大切です。

B最後に軽くマッサージを行います。

表情筋(顔を動かす筋肉)に該当するツボ

◆額にしわを寄せる◆
前頭筋により眉を上げると「額にしわ」ができます。
代表的なツボ「陽白(ようはく)」

◆ウィンクする◆
眼輪筋を動かして瞼を閉じます。
代表的なツボ「四白(しはく)」「糸竹空(しちくくう)」

◆眉をひそめる◆
「すう鼻筋」が担当します。
代表的なツボ「サン竹(さんちく)」

◆鼻の上に横しわをつくる◆
「顔をしかめる(嫌悪)」と、鼻根筋が動き、鼻の上に横しわができます。
代表的なツボ「印堂(いんどう)」

◆笑う◆
笑うと、「頬骨筋」が動いて、口角が上がります。「笑筋」が動いてエクボができます。
代表的なツボ「巨リョウ(こりょう)」

◆頬を膨らませる◆
口輪筋により口が閉じ、頬筋により頬が膨らみます。
代表的なツボ「地倉(ちそう)」「かりょう」

◆口を「への字」に曲げる◆
口角下制筋を動かすと、口元にしわが寄り「口がへの字」に曲がります。オトガイ筋により、顎先にしわが寄ります。
代表的なツボ「承ショウ(しょうしょう)」

日常生活で気を付ける点

★眼を保護する★
・乾燥を防ぐために目薬をする。
・紫外線から守る為に外出時にはサングラスをかける
・眠る時は、眼帯やテープ(瞼を手で閉じてテープで固定する)を利用する。

★顔をホットタオルで温める★
「冷えが原因」で顔が麻痺する場合があります。また、麻痺している顔の筋肉は強張ってきます。「温かいタオルを当てる」「軽いマッサージをする」「入浴」などにより、顔を温めて下さい。

★十分な休息をとる★
肉体的疲労や睡眠不足は、免疫力・自然治癒力の低下に繋がります。

参考文献

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